こんにちは。はるろぐ管理者のはるみ(@harumitsu0112)です。
遺産相続で仲の良い兄弟が裁判で争う。
子どもに実家をとられて追い出される配偶者。
不動産仲介業の世界にいると悲しい争いを見ることがあります。
家族での争いを回避するために相続人を含めた話し合いをオススメします。
最近、テレビで相続トラブルの話をよく聞くな。家族で揉めると財産を残してくれる親が悲しむから話し合いをしておくか。でも何から話をすれば良いのだろうか・・・
不動産(実家)の話をしてみてはどうかな?預貯金などは聞きにくいけど不動産なら目に見えるしきっかけとしてはとても良いと思うわ。
この記事で次の疑問を解決できます。
- 相続したら絶対に相続税を支払うの?
- 不動産の相続税ってどれくらい払うの?
- だれが相続人になるの?
相続したら絶対に相続税って支払うの?
答えは「No」です。
相続税を支払っていない人もいます。
突然ですが相続税について問題です。
問題
日本全体で相続税を支払っている人は何%でしょうか?
- 90%以上
- 90%未満~50%以上
- 50%未満~10%以上
- 10%未満
回答
- 平成28年:8.1%
- 平成29年:8.3%
なんと、約8%です。
実は圧倒的に相続税を払っていない人のほうが多いのです。
平成29年中に亡くなられた方(被相続人数)は約134万人(平成28年約131万人)、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約11万2千人(平成28年約10万6千人)で、課税割合は8.3%(平成28年8.1%)となっており、平成28年より0.2ポイント増加しました。
平成29年分の相続税の申告状況について:国税庁
予想より少ないんだけど・・・なんでなん?
答えは「基礎控除などで非課税になるから」です。
基礎控除?非課税?意味わからないですよね?
安心してください。僕も最近まで意味わかりませんでした(笑)
まずは相続税のイメージを簡単に説明します。
超簡単に説明すると相続税は消費税とほぼ同じです(計算方法)。
- 消費税:スーパーで買った全商品(野菜やアイス)に対して8%
- 相続税:相続する全財産(現金や不動産)に応じて10%〜55%
相続税は金額に応じて課税率が上がります(10%〜55%)。
詳しく知りたい方は「No.4155相続税の税率:国税庁」へGO!
数字を使って相続税を説明(ちょっと難しいよ)
相続税は消費税とほぼ同じ計算方法です。
こわがらずに落ち着いて考えてみましょう!
1人で3,000万円を相続すると税率は15%です。
- 3,000万円×15%=450万
相続金額が3,000万円以下だと50万円を引くことができます。
- 450万円-50万円=400万円←相続税
3,000万円を相続して400万円の相続税がかかります。全額現金で相続できれば払えますが不動産だと支払うために売却しないといけませんね・・・
しかし、実際は基礎控除があるので相続税は0円です!
400万円が0円って凄すぎます。
相続税の基礎控除額の計算方法
さっきの例と同様に1人で3,000万円を相続する例で説明します。
とっても簡単です、消費税の計算に【引き算】が入るだけです。
- こんな感じ→(3,000万円-基礎控除)×税率=相続税
簡単でしょ!
次は基礎控除の計算方法です。
- 基礎控除=3000万円+(600万円×法定相続人)
法定相続人とは相続で受けとる人のことです。今回は1人で計算します。
- 基礎控除=3,000万円+(600万円×1人)
- 基礎控除=3,600万円
基礎控除は3,600万円です。
この金額を相続する合計の財産から引いて税率をかけます。
- (3,000万円-3,600円)×税率=相続税
基礎控除額より相続する資産が少ないので、相続税は0円となります。
ここまでの計算は【足し算、引き算、割り算】しか使っていません。落ち着いて考えると計算できますので「ん?」と思った方はもう1回計算してみてください。
法定相続人が複数いたらどうなる?
答えは「基礎控除額が増えてお得」です。
1人の場合だと、3,600万円でしたね。
もし、法定相続人が2〜5人だとしたら・・・
- 2人:4,200万円=3,000万円+(600万円×2人)
- 3人:4,800万円=3,000万円+(600万円×3人)
- 4人:5,400万円=3,000万円+(600万円×4人)
- 5人:6,000万円=3,000万円+(600万円×5人)
多ければ多いほど基礎控除額が増えてお得になります。
基礎控除をざっくりまとめると・・・
- 基礎控除額より少ない→課税されない(相続税0円!)
- 基礎控除額より多い→超えた分に課税される
だれが法定相続人になる?優先順位は?
答えは、「配偶者+優先順位の高い血族」です。
絶対に「配偶者」は法定相続人となります。優先順位は次のとおりです。
- 第一:子供(亡くなっていたら孫)
- 第二:父母(亡くなっていたら祖父母)
- 第三:兄弟姉妹
優先順位の高い血族が1人でもいると優先順位の低い血族は相続することができません。また、配偶者が死亡や離婚などでいない場合は、優先順位の高い血族のみが法定相続人となります。
法定相続人となる簡単な例は次のとおりです。
- 例1:配偶者と離婚し子供3人→子供3人
- 例2:配偶者はいるが子供がいない→配偶者と両親
- 例3:配偶者も子供も両親もいない→兄弟
法定相続人は優先順位に応じてもらえる財産の割合も異なります。
配偶者が1番割合が多く、優先順位が下がるにつれて割合も下がります。
- 第一:子供(1/2)→配偶者(1/2)
- 第二:父母(1/3)→配偶者(2/3)
- 第三:兄弟姉妹(1/4)→配偶者(3/4)
ここで疑問を「子供が3人いたらどうなる?」と感じた方はセンスがあります。
子供に限らず父母、兄弟姉妹でも「配偶者1/2」が絶対です。
- 例1:子供2人と配偶者→子供1人(1/4)で配偶者(1/2)
- 例2:兄弟姉妹3人と配偶者→兄弟姉妹1人(1/12)で配偶者(3/4)
- 例3:子供3人で配偶者いない→子供1人(1/3)
割り算が苦手だとややこしくて少し難しいですが、落ち着いて計算すれば大丈夫です。
配偶者が絶対に半分以上は相続できる仕組みになっています。
法定相続人の放棄と養子縁組について
法定相続人に関する「放棄」と「養子縁組」について簡単に説明します。
法定相続人を放棄したら基礎控除はどうなる?
相続の種類は3つあります。
ここでは詳しく説明はしませんが次のとおりです。
- 単純承認
- 限定承認
- 放棄
3つの中で「放棄」を選択すると、法定相続人であっても相続財産を受けとることができなくなります。
そうなると相続税の基礎控除は利用できなくなるのでしょうか?
答えは「No」です。
基礎控除額を計算する法定相続人としてカウントしてOKです。
法定相続人を増やして節税対策
法定相続人を「養子縁組」という方法で増やすことができる。
ただ、養子縁組を無限に増やすと相続税を不当に減らせるので制限がある。
- 実の子がいると→1人
- 実の子がいない→2人
ちなみに、養子縁組には2つ種類がある。
- 特別養子縁組→今の親と関係を切る(虐待や貧困などで)
- 普通養子縁組→親が2人になる(相続税対策で孫などを養子にする)
まとめ
- 相続税を払っている人は全体の8%と圧倒的に少ない。
- 相続税は消費税と同じような計算方法。
- 基礎控除=3,000万円+(600万円×法定相続人)
- 法定相続人には優先順位と割合がある。
- 法定相続人が多いほどお得になる。
ではまた!
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